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木井神社のイチイガシ

 

木井神社のイチイガシ

 

イチイガシは、木井神社拝殿に係る石段の脇に高々と聳えています。ほかの木々も良く茂っているために写真では見にくいのですが、現地に行くと溢れるようなこずえの広がる姿が印象的です。

イチイガシはブナ科の常緑樹で、西日本の標高500m以下の里山(さとやま)的自然を代表する樹木のひとつです。
名前の由来は「神聖な木」の意=齋樫(いちかし)がなまったもの、「よく燃える木」の意=最(いち)火(び)樫(かし) からきたなど諸説あります。葉は互生で長さが5~12センチ、上半分が鋸歯(のこぎり)状となるのが特徴で、花は5月頃、実(ドングリ)が10~11月頃にできます。実は直接食べられるほか、材が堅く粘りがあるため各種器具の材料として利用され、縄文(じょうもん)時代以来重宝された木のひとつです。
東・中九州地方では、古い自然林にこの木の巨樹・古木が多いことで知られ、ここ豊前(ぶぜん)地方では宇佐神宮[大分県宇佐市]のものがよく知られていますが、当該地方における社叢(しゃそう=鎮守[ちんじゅ]の森)の代表的な樹種となっています。
このイチイガシは県下有数の規模を持ち、木井神社の社叢を形作る木々のなかでは最大・最古で近隣でも稀に見る巨・古木ですが、葉量も多く樹勢盛んな健康体です。参道左手にそびえるもう一つのイチイガシの木とともに木井神社「ご神木の長老」的存在として人々に親しまれています。

イチイガシの幹に広がる不思議な文様

イチイガシの幹に広がる異様な文様
古木になると厚い表皮がはがれ、その下に同心円状の文様があらわれます。不思議な自然の造形ですが、じっとみていると気持ちが落ち着く?不思議な気持ちになります。
縄文土器の文様などとも共通するように見える神秘的な文様は、案外本当に縄文土器のモデルなのかもしれません。
古くからの祈りの場の神木となる理由は案外こんなとこにあるのかもしれませんが、それにしても古代人はよく自然を観察しているものです。

イチイガシの大きさ

傍らの人物との対比でもその大きさが分かるのではないでしょうか。
ちなみにこの木は背後の神社を祀り、地元「城井(きい)」の町づくりをした鎌倉時代の武将・宇都宮信房(うつのみやのぶふさ)が植えたものとの言い伝えもあります。

 

 

基本情報

名称 木井神社のイチイガシ(きいじんじゃのいちいがし)
指定種 記念物(天然記念物)
数量 1本
所有者 宗教法人 木井神社
成立年代 推定樹齢 約450年
法量 樹高 302.1m、幹周り4.75m
枝張 東西約25m、南北約16.7m
特徴 社叢中最大のものでご神木とされています。
詳細
所在地 福岡県京都郡みやこ町犀川木井馬場1313番地 木井神社境内
営業日  
定休日  
公式サイト

 

交通アクセス

 

東九州自動車道「みやこ豊津IC」より、車で約15分
バス JR行橋駅から太陽交通バス(豊津・木井馬場方面行き)で約30分、
「木井馬場バス停」下車、徒歩約5分
電車 平成筑豊鉄道「犀川駅」下車、徒歩約50分

 

お問い合わせ

部署名:みやこ町役場 歴史民俗博物館

電話番号:0930-33-4666