仙人神社せん助さん

せん助さんは江戸時代後期、安政年間に池田に住んでいたといわれる実在した人物である。大変な酒好きで、お人好し、全く欲のない人だった。いつも一升びんを提げて歩き、会う人ごとに酒を飲ませ、あるときは自分の山を売るというのに自分で祝儀を出しては祝い酒をふるまうというような村の名物男だった。そんなせん助さんの口癖は「自分が死んだら林の中の山桃の木の下に埋めてくれ。神様になってみんなの願い事を一つ叶えてあげる」というものだった。
しかし、せん助さんが死んだ時、家の者はこのことを気にも留めず、村の墓地に埋めてしまった。そうしたところ、その夜から三日三晩、笛や太鼓の音が家中やかましく鳴り響き、家の者は一睡もできなくなってしまった。あわてて桃の木の下に埋めかえたところ、ピタリと騒ぎが静まったという。
現在、せん助さんのお墓は高野山の麓に仙人神社として祀られている。この神社にお参りするときには、せん助さんの口だと言われるお堂の後ろにある、石の尖った先端部分に酒をそそぎながら「せん助さん、まあ一杯おあがり下さい」と言い、次に「今度は私が一杯いただきます」と言いながら酒を酌み交わし願い事をすればかなうといわれる。(京築民話の会『ものがたり京築』)
出展:勝山町史


左下、県道からの入口、入口の立札、神社手前の別れ道を右へ
所在地 | みやこ町勝山池田 |
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アクセス(バス:田川・香春町方面行き) | 行橋駅より太陽交通バスで約25分、「黒田橋バス停」下車、徒歩約60分 |
アクセス(車) | 東九州自動車道「行橋IC」より、車で約10分 ※県道64号線沿いに目印の立札があります。 |