イノシシ・シカ、アライグマ等から農作物を守るために
有害鳥獣であるイノシシ・シカ、アライグマ等による農作物の被害を防ぐ方法として、防護柵は有効な手段ですが、柵を適切に設置・管理し、また、地域ぐるみで被害軽減に対して協力することが重要です。
~イノシシの被害防止対策~
イノシシは縄張り意識が弱いため、一度でもイノシシに侵入された田畑は次々とイノシシが現れて被害が拡大します。トタン、ネット、金網を使った柵や電気柵などの防護柵を設置するのが効果的です。身体能力が高いので十分な強度をもった柵にしましょう。
ワイヤーメッシュ柵 設置のポイント
ワイヤーメッシュ柵は中の作物は見えてしまうものの、上部を折り返しておけば柵が迫ってくるように見え、踏切位置が遠くなり、イノシシに跳び越しをあきらめさせることができます。
<設置例>
- 高さ1m x(かける)幅2m、目合い10cm、5mm径の製品を使用。
- ワイヤーメッシュの上部30cmを20~30度折り曲げる。
- 折り曲げの際は足で踏むか角材を当て木にして引き上げる。
- 支柱を2m間隔で地中30cmほど打ち込み、針金などで2ヶ所以上を強く固定する。
- ワイヤーメッシュの下部は地面に密着させ、凹凸部や傾斜地など高低差のあるところでもすき間を空けない。
- ワイヤーメッシュには表裏があり、横線を畑側にする。
電気柵設置のポイント
電気柵は、電線の中を流れる電気によってイノシシにショックを与えるものですが、その効果を発揮させるためには、いくつかの約束事を守る必要があります。
<設置例>
- 感電するのは鼻と腹の2ヶ所だけ。電線は2段に張る。
上の段は親イノシシがちょっと上を見るときの鼻の位置である40cm。
下の段は、もぐりこもうとするときの鼻の位置で、ウリ坊とも兼用の20cm。
高低差のあるところにすき間ができないよう地際20cmを保つ。
- 柵は舗装道路から50cm以上離す。
- 支柱が倒されないよう電気柵は支柱の外側に設置する。
- 周囲の草刈りや定期的な電圧チェックなど継続した管理が必要。
~シカの被害防止対策~
シカは警戒心が強いですが、図太さも持ち合わせています。昼間は森林域にいて、田畑には夜間に出てくることが多くなります。視覚と聴覚は人間と大差ありませんが、嗅覚が発達していて、臭いで危険を察知します。「ピィッ」という警戒音を発して仲間に危険を知らせます。畑の地際にすき間があれば、くぐり抜けることができます。
防護柵によって物理的にシカの侵入を防ぐのが最も効果的です。
柵の設置のポイント
- 柵にはトタン、ネット、金網フェンス、電気柵などがありますが柵の高さは2m程度にする必要があります。
シカにはトタン板は向いていません。
- ネットは丈夫なものを斜めに張るのが有効です。
- 対象となる動物がシカだけの場合は、電気柵の必要はなく、効果や耐久性からすると、高価ですが金網フェンスも有効な選択肢の一つです。
- 電気柵を設置する場合は電気線6~7段張りで、2mほどの高さが必要です。
また、くぐり抜けできないように、下3段の電線の間隔を20cm程度とする必要があります。
- 柵に穴が空いたりすると、シカはその穴の場所を覚えて執拗に侵入しようとします。
補修はしっかりと行い、侵入されないように定期的な管理が必要です。
~アライグマの生態と対策~
尾にあるシマ模様が他の動物と見分ける際の大きなポイント。
生態
<食性>
小型哺乳類、鳥類、両生類、魚類、昆虫、農作物など、雑食性。
<行動>
- 夜行性で、日中は、高い樹上や家屋の屋根裏などのねぐらで休みます。
- 5本指の爪を立て、木や柱、壁をのぼるのが非常に得意です。
- 小川や用水、側溝などを歩いて移動します。
<繁殖>
- 成長が早く、1歳になるとメスは繁殖できます。
- 3月下旬から5月上旬にかけて、1~6頭の子供を産みます。
- 野生の個体の寿命は7~8年といわれています。
特徴
- 体長は40~60cm、体重は3~8kgで中型犬くらいの大きさです。
- 最大の特徴は、20~40cmのシマ模様のしっぽです。
アライグマの侵入防止対策
電気柵による囲い込みによって、アライグマの農地への侵入を防ぐ効果があげられます。
地上から10cm間隔で3~4本の柵線を設置する方法が一般的です。
果樹などの被害を防ぐ方法として、根本周辺に有刺鉄線やトタン等を撒きつけ、登らせないようにする対策が取られることもあります。
地域で行うアライグマの被害防止対策
<エサを与えない>
見た目は可愛くとも、絶対にエサは与えてはいけません。
生ゴミを畑に不用意に捨てたり、廃棄する作物を畑に放置したり、果物をなりっぱなしにすることのないようにしましょう。
<ねぐらをつくらせない>
アライグマの侵入口になりそうな壁や床下、屋根の近くの隙間はふさぐようにしましょう。
特に、神社などの古い木造建築は、ねぐらや繁殖場所に使われやすいので注意が必要です。
野生鳥獣のエサとなるものを集落内に放置し追い払いもしなければ、鳥獣を餌付けしたり、人慣れさせることと同じになります。
田畑の農作物を守るため、自分でできることからはじめましょう。
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