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令和5年度 施政方針

 

令和5年3月議会で町長が述べました令和5年度の施政方針を公開します。

 

令和5年第1回みやこ町議会定例会施政方針

 

令和5年3月2日     
みやこ町長 内田  直志

 

 本日ここに、令和5年第1回みやこ町議会定例会を招集致しましたところ、議員の皆様には、公私ともご多用の中、ご参集を賜り厚くお礼申し上げます。
 定例会の開催にあたり、町政運営の基本方針を申し述べる貴重なお時間をいただきましたので、私の所信の一端を申し述べ、議員各位ならびに町民の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じます。

 

 さて、世界が新型コロナウイルスという試練に直面してから、すでに3年の歳月が経過し、日本では累計で3,300万人以上の方が新型コロナウイルスに感染し、7万人を超える方がお亡くなりになりました。コロナへの対応策は国によってそれぞれ異なりますが、いち早くウィズコロナへと転換した国もたくさんある中、日本でも段階的にウィズコロナへと舵が切られつつあります。去る1月27日、政府は、新型コロナウイルス感染症について、病原性の変異などの特段の事情がない限り、5月8日から感染症法上の位置付けを「5類感染症」に変更することを決定しました。また、2月に入り政府から、3月13日以降はマスクの着用について個人の判断とする方針が出されたところです。しかしながら、皆様の周りにも重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患のある方がおられると思いますので、状況に応じて適切な行動をとっていただきますよう改めてお願い申し上げます。

 

 それでは、今後の町政運営に関する基本方針と重要施策等についてご報告申し上げます。

 

グランドデザインによるまちづくり

 

 先ずは、まちづくりグランドデザインについてです。みやこ町では人口減少や高齢化がさらに進展することが見通されており、将来にわたり持続可能となるまちづくりを進めていくためには、長期的な観点からのまちづくりの全体構想策定が必要です。現在、この全体構想としてまちづくりグランドデザインの策定を進めているところですが、令和5年度から6年度にかけては基本計画および実施計画を策定することとしております。この基本計画、実施計画では、基本構想に基づいたより解像度を高めたまちづくりの方向性を示していきます。また、計画策定にあたっては、検討委員会を設置するほか、住民参画のもと官民協働によって取り組んでまいります。是非とも皆様のご協力をお願いいたします。なお、グランドデザインの取り組みの一環として、来る3月12日にシンポジウムを開催いたします。このシンポジウムでは、まちづくりに関する基調講演、専門家を交えてのトークセッションの場を設ける等、まちづくりのグランドデザインについて、「知る」、「学ぶ」、「考える」機会とすること、併せてこのシンポジウムを皮切りに、皆様と協働してまちづくりグランドデザインの取り組みを進めて参りたいと考えています。シンポジウムのメイン会場はサン・グレートみやことしていますが、サテライト会場として豊津公民館、中央公民館(犀川)で、会場の様子をオンライン配信するほか、会場に来ることができない方のためにユーチューブを使った同時配信も行います。詳しくは広報2月号および3月号をご覧ください。いずれの会場も予約不要で参加できますので、皆様のご来場をお待ちしております。

 

保険・福祉行政

 

 次に、保険・福祉行政についてです。保険・福祉の分野では、高齢者の虚弱状態であるフレイルを早期発見し、要介護状態にならずに健康寿命を延ばすための取り組みを進めます。京都病院や飯塚病院と連携を図り、東京大学高齢社会総合研究機構が実践する高齢者のフレイル予防への気づきと自分事化を促すための地域活動「栄養・運動・社会参加の包括的フレイルチェック」を推進するとともに、地域におけるフレイル予防推進の伴走者であるフレイルサポーターを育成してまいります。さらに、地域でのフレイル予防をより効果的に実施するため、令和5年度から新たに高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施する取り組みを開始いたします。高齢者の「通いの場等」へ専門職を派遣し、医療・介護・保健に関するデータの総合的な活用によって地域の特性に応じたアドバイスを行うことにより、住民の皆様がいつまでも住み慣れた地域で暮らせる、健康長寿のまち「みやこ」を推進してまいります。

 また、本町では、「住み慣れた町で安心して生活できる福祉のまちづくり」を目指して平成31年度に「第2期地域福祉計画」を策定し、各種施策を推進してまいりました。しかし、近年では少子高齢化や生活環境の変化、新型コロナウイルス感染症の影響によって課題は多様化している反面、地域のつながりは以前に増して希薄になっています。このような地域課題の解決には、公的サービスのみならず行政と地域が「我がこと」として共通の問題意識を持ち、それぞれが出来る役割を果たしていくことが強く求められます。そのために、みやこ町の地域福祉の根幹でもある「みやこ町地域福祉計画」の見直しの年度に合わせて、各分野別の個別計画を一体化させるとともに、みやこ町社会福祉協議会とも連携を図り、社会福祉協議会が策定する「地域福祉活動計画」も包含した「みやこ町地域福祉総合計画」を策定いたします。縦割りではなく手を取り合ったみやこ町の福祉を推進することで、だれ一人取り残さない安心して暮らせる町づくりを目指してまいります。

 

防災行政

 

 次に、防災行政についてです。犀川地区の防災行政無線設備につきましては、前回整備を行ってから16年が経過することから、機能向上を図るため機器更新などの再整備を実施します。これにより、停電時においても72時間以上の運用が可能となるほか、電波変調方式の変更による電波到達エリアの拡大により、戸別受信機の外部アンテナが不要となる区域を広げることができます。また、屋外拡声子局の高性能化による音達エリアの拡大も図ることができます。将来的には、スマートフォン向けの防災アプリ機能についても検討してまいります。

 

道路行政

 

 次に、道路行政についてです。国道201号みやこ町区間の機能強化整備については、令和3年6月に役場南側を通るバイパス案でのルート帯が示され、その後、福岡県環境影響評価条例に基づき、国による環境アセスメントが行われており、現在も環境影響調査が実施されております。国道201号のバイパス整備に伴う周辺整備は、まちづくりグランドデザイン策定や都市計画区域の見直しを行う上で重要案件となりますので、関係機関と連絡を密にしながら、事業推進に努めてまいります。また、町が管理する道路の舗装は老朽化が進んでおり、今後の維持管理費の増加が懸念されます。限られた予算で適切に維持していくために、令和5年度に舗装の損傷度を把握する調査の実施と舗装維持管理計画を策定し、舗装の長寿命化・走行の安全性やライフサイクルコストの縮減など効率的な修繕を計画的に進めてまいります。

 

地域公共交通

 

 次に地域公共交通についてです。地域公共交通は、自動車免許を有していない子供や学生、また高齢者等、自動車に頼ることができない方々にとって通勤、通学、買い物、通院などの移動手段として日常生活を支える重要な社会インフラの一つとして考えています。町には、子供から高齢者、障がいをお持ちの方、妊産婦の方など様々な方が暮らしています。まち全体の住民の生活を意識しつつ、地域の暮らしやすさ、日々の暮らしを守るために今後の地域公共交通の果たす役割は大きくなるものと考えています。また、まち全体の地域公共交通は、民間の交通事業者が運営する鉄道や路線バスに支えられている一面もあります。これら既存の公共交通事業や町が運営するあいのりタクシー事業を含めて地域公共交通の更なる充実のために今後のあり方について検討してまいります。

 

農業行政

 

 次に、農業行政についてです。少子高齢化等による住民の減少に伴い、農業を経営する人の数は減少しております。また、近年の社会情勢等による影響で、農業用資材、燃料は高騰し、農業を取りまく環境はますます厳しいものになっております。そうした中、農産物の生産基盤であるとともに、地域の景観の一部でもある農地をどのように守っていくのか、また、そのために必要な農業経営体をどのように確保していくのかなど、今後、町の農業が向かうべき方向性を定める「農業ビジョン」(仮称)の令和5年度策定に向け準備を進めております。去る2月6日、7日の両日、農業経営の専門家を交えて、集落営農組織や施設園芸農家、中山間地域の小規模農業経営体などの農家の方に、現在抱えている課題や地域の課題、今後の展望などの聞取りを行いました。担い手不足や農地の賃貸借に関する問題、経営に関する問題など、地域農業が抱える課題について再認識させられたところです。今後は、町においても効果的かつ重点的な支援ができるよう、農家をはじめ農業経営や地域づくりの専門家など多方面の関係者のご協力を得ながら「農業ビジョン」の策定を行い、取り組みを進めてまいります。

 

林業行政

 

 次に、林業行政についてです。みやこ町は総面積の63パーセントが森林であり、そのうち杉、ヒノキを植林したものが約6千ヘクタール、天然林が3千ヘクタールとなっておりますが、経済林、観光林として十分に活用されていないのが現状です。現在、町では福岡県の「荒廃森林整備事業」を活用し、荒廃した森林の間伐や侵入した竹の除伐などにより、健全な森林を次世代に引き継ぐための取り組みを進めております。今後は、水源の涵養や温室効果ガスの吸収機能といった森林の持つ多面的機能の維持の為の取り組みと合わせ、木材の搬出による林業家や森林所有者の収益の向上を図る取り組みができないものか、森林環境譲与税の活用も含めて、森林所有者や林業の専門家、森林組合などのご協力を得ながら、農業同様、町独自の「林業ビジョン」(仮称)も策定してまいります。

 

教育行政

 

 次に、教育行政についてです。2020年度に改定された新学習指導要領では、学校教育で目指すものとして「変化の激しい社会に必要な生きる力を育むこと」を挙げており、これからの予測困難な時代にあっても、子どもたちには、前向きに変化を受け止めて、よりよい豊かな未来の創り手になっていくことが期待され、あわせて社会の様々な場面で生きて働く知識・技能を身に付けることが求められています。町では、GIGAスクール構想により、昨年度までに各校舎の通信ネットワーク環境整備や1人1台の端末配付などを完了しており、新年度は、ICTの効果的な活用を一層促進するため、ICT支援員の配置、自宅への持ち帰り学習、普通教室への電子黒板の配備、教師用デジタル教科書の導入などを行い、児童・生徒の情報活用能力を育ててまいります。また、新年度も引き続き、町雇用の学校講師の配置による少人数での学級編制を行い、少人数指導、習熟度別指導など、きめ細やかな教育に努めてまいります。なお、学校給食につきましては、地元産農産物を積極的に使用して、食を通して児童・生徒の心身の健全な育成を促すため、栄養バランスのとれた安心・安全な給食を安定して提供できるよう努めてまいります。
 続いて、新型コロナウイルス感染症の影響により開催を制限してきた、みやこ町総合教育会議を新年度において開催します。この総合教育会議は、地方公共団体の長と教育委員会が十分な意思疎通を図り、地域の教育の課題やあるべき姿を共有し、より一層民意を反映した教育行政を実践することを目的としています。町の教育行政の指針となる教育行政の大綱策定や学校再編などの諸課題について、双方の視点から自由な意見交換を行うことで、より良い教育行政の推進を図ってまいります。

 

生涯学習

 

 次に、生涯学習についてです。誰もが生涯にわたり健康で、夢や希望を持ち、生きがいを実感できるようライフステージに応じた学習の機会や、スポーツ・レクリエーション活動の機会を提供してまいります。また、歴史民俗博物館を拠点とし、町内にある貴重な歴史文化遺産や、みやこ町が全国に誇る先人の資料などを保護・保存・活用することにより、みやこ町のPRに努めてまいります。図書館サービスにつきましては、引き続き移動図書館や、学校・保育所をはじめとした関係機関や団体等と連携しながら、様々な機会を通じて図書館の利用促進を図ってまいります。

 

公共施設等の維持管理

 

 次に、公共施設等総合管理計画・個別施設計画についてです。町においては、3町合併に伴う公共施設の統合および機能集約が必要とされる中、公共施設として提供するサービスや機能を維持していくため、平成29年3月に「みやこ町公共施設等総合管理計画」を策定しました。新年度はこの公共施設等総合管理計画に基づいて、それぞれの施設ごとの対応方針を定める個別施設計画を策定します。個別施設計画は、厳しい財政状況の中で、今後見込まれる老朽施設の改修や維持管理等を効率的に進め、トータルコストを縮減・平準化するために策定する計画です。また、個別施設計画の策定に合わせ、公共施設等総合管理計画の改定を並行して行い、これら2つの計画に基づいて公共施設の総合的適正管理を進めてまいります。

 

行政のデジタル化

 

 次に自治体DX推進の取り組みについてです。国が推奨する行政手続のオンライン化の実現に向け、引越ワンストップサービスの一環として、2月からマイナポータルを通じたオンラインによる転出届・転入予約ができるようになりました。今後は、マイナポータルや町の電子申請システムを利用したオンライン申請を拡充していきたいと思います。また、デジタル田園都市構想にも掲げられた地域社会のデジタル化、デジタルデバイド対策、マイナンバーカードを利用したサービスの拡充など、デジタル実装を通じた利便性の向上による住みよいまちづくりに継続して努めてまいりたいと考えております。

 

効率的な行政運営を目指し

 

 次に、町組織の機構改革についてです。効率的な行政サービスの提供を目指し、現在、機構改革に向け準備を進めております。令和5年度は、自治体DXの推進にいち早く取り組むため、4月1日に電算部門を見直した一部機構改革を実施します。具体的には、自治体DXの取りまとめを行う政策推進部門と電算部門を一体化させ、自治体DXの取り組みをより一層推進してまいります。そして令和6年度には、全庁的な機構を見直した新たな組織体制をスタートさせるとともに、併せて支所機能の充実を図ります。大きな見直しとしては、政策立案部門と行財政改革部門をこれまで以上に強化し、ヒト・モノ・カネなどの資源が限られるなか、デジタル技術を活用した効率的な行政運営に努め、行政コストの縮小を図るとともに窓口手続の簡略化などの住民の皆様の利便性向上を目指した取り組みを行ってまいります。

 

小中学校再編

 

 次に、小中学校の再編についてです。小学校の再編につきましては、公共施設再配置計画に基づき、すでに犀川地区小学校の再編、整備が完了し、現在は豊津地区小学校の整備を進めているところです。今後の勝山地区小学校の再編や町内中学校の統合につきましては、これからの時代を担う児童・生徒の教育環境を充実したものにするため、現在策定に向けて取り組んでいる「まちづくりグランドデザイン」をベースに、適正な学校配置、学校規模を考慮して整備計画を推進して参ります。

 

イベントや各種会議等

 

 最後に、イベントや各種会議等についてですが、新型コロナウイルス感染症への対応が緩和されることに伴い、今後は様々な催しが順次開催されていくことになります。まだまだ予断をゆるしませんが、地域の元気を取り戻し、地域を盛り上げていくため、町も全力で取り組んでまいります。また、今後は、町による助成の在り方などについても見直しをしていきたいと考えておりますので、議員の皆様、住民の皆様のご協力をお願い申し上げます。

 

最後に

 

 以上、今後のまちづくりに関する私の所信を申し述べさせていただきました。何かと課題は多いですけれども、議員各位ならびに町民の皆様とともに力を合わせてより良いみやこ町にしたいと考えております。引き続き、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

 

 

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