ふりがな
ひらがな ルビ ( るび )
Language
Foreign Language

豊国楽

 

豊国楽

 

由来・活動の歴史
豊国楽は犀川下伊良原区の産土神(うぶすながみ)・高木神社に式願(定例の願掛け)として奉納され続けている芸能で、130年以上の伝統を誇ります。
この楽は、もともと生立(おいたつ)八幡宮(はちまんぐう)(みやこ町犀川生立)の式願に奉納されていたのですが、木山村が式願を楽打ちから幟山(のぼりやま)(山笠)に変更したことに伴い、下伊良原村がこれを譲り受け現在に至っているというわけです。そのことを語る明治元(1868)年発行の免許状も残されており、始まった年などはあまりはっきりしないことが多い民俗芸能のなかでは故事来歴がはっきりしている珍しい例といえます。
楽は華麗な装束に身を包んだ12人の打子(うちこ)(太鼓奏者)と5人の中老(ちゅうろう)(囃子方)によって奏でられ、陰陽二手に分かれた打子が中老の奏楽にあわせて太鼓を打ちながら何度となく入れ替わるのが特徴です。このスタイルには「陰陽融合」による五穀豊穣を祈願する陰陽道(おんみょうどう)の思想や祇園(ぎおん)祭の影響がうかがえ、この楽が京都の祇園田楽(でんがく)の影響をうけた「みやこぶり」な楽であることがわかります。

 

お旅所で奉納される「お着きの楽」

お旅所で奉納される「お着きの楽」
豊国楽は一庭(にわ:演奏回数を数える単位)30分ほどの演奏で、「見立ての楽」「御立ちの楽」「(お旅所)お着きの楽」「(お旅所)御立ちの楽」「納めの楽」の5庭仕立ての構成ですが、現在は見立ての楽は行われず4庭構成となっています。12人の打子はあでやかに着飾り、囃子に併せて交差したり直列に並んだりと陣形を変えつつ舞奏でます。

 

かわいい「打子」の姿
楽の由来を語る「免許一札」

かわいい「打子」の姿と楽の由来を語る「免許一札」
打子は紺の絣の上に黒縁取りで袖先に鈴を下げた白振袖をまといます。背には幟二本にダシ飾り、母衣(ほろ)をつけたドウガラを背負い風流(ふりゅう:着飾り)を尽くします。
免許には豊国楽が京都伝来の由緒ある楽であること。残らず奥義を伝授された上は末代まで相伝・奉納を怠る事のないよう確認し、それに立ち会った楽教師や村役など36人がずらりと記名・押印しており、当時の下伊良原の村人にとって記念的大事業であったことが偲ばれます。

 

中老

楽を導いてゆく「中老(ちゅうろう・なかし)」
楽を先導するのが「中老」と呼ばれる囃子方で、太鼓打一人、鉦打一人、歌詠三人の5人からなります。
太鼓のリードで中世起源とみられる歌謡が8曲詠じられますが、その歌詞は次のようなものです。
 一、須磨の浦 若木の桜
    散らで残るは磯馴松
 二、治まるや 風も静に豊国の
    恵み久しき 民の末々
 五、呉竹の代々を重ねし言の葉の道や積もりて
    浦浜の真砂の数はつきるとも
     絶えせぬものは神の恵みよ

 

 

基本情報

名称 豊国楽(とよくにがく)
指定種 無形民俗文化財
数量 1件
所有者
管理者
下伊良原神楽・豊国楽保存会
成立年代 文久2(1862)年
法量 打子12人、囃子方5人からなる「半楽」構成の楽
特徴 豊前系楽打の一種。子供楽で華麗な装束が特徴

 

 

開催について

開催日 5月4日
所在地 みやこ町犀川下伊良原
定休日  
リンク ≫みやこ町歴史民俗博物館デジタルミュージアム「豊国楽」

 

 

交通アクセス

 

より大きな地図で 豊国楽 を表示

東九州自動車道「みやこ豊津IC」より、車で約30分
電車 平成筑豊鉄道「犀川駅」下車、車約30分

 

お問い合わせ

部署名:みやこ町役場 歴史民俗博物館

電話番号:0930-33-4666