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河童相撲



英彦山に源を発する祓川の流域に豊津町大字光冨と言うところがある。昔、村の男が一人で田仕事に行く途中、カワントン(河童)が出ると恐れられている川のそばを通りかかると、奇妙な格好の小さな男の子が飛び出してきて、手を広げて通せんぼをして、相撲をとろうとせがんだ。村一番の力自慢で、相撲には自信のあるこの男は、軽い気持ちで応じた。ところが手が滑ってなかなか投げられない。逆に村の男は、その男の子から投げられてしまった。勝ち誇って、大笑いしている男の子を見て、村の男はぞっとしてすっ飛んで帰った。それはカワントンだった。それ以降、畠の作物を荒らしたり、泳いでいる子どものコウバコ(ゴウ=肛門)を抜いて溺死させたり、悪さは一段と激しくなり、村人たちは大いに恐れた。

そこで村人たちは、カワントンが悪さをしないように、藁で作った「きふね」に食べ物を入れて、河原に立てて供え、好きな相撲を子どもたちに取らせたら、カワントンの悪さもなくなった。それ以来、毎年、子ども相撲を奉納するようになり、現在でも続けられている。(『京築ものがたり』村上朋子)

隣の犀川町蔵持の話。蔵持の村上道観(鎌倉時代)という人は、たいそうな力持ちであった。ある日、隣村の光冨の人たちがカワントンで難儀をしていると聞いて、光冨に行って、カワントンと相撲をとった。ところが手が滑って、投げられない。河原の砂を手に付けて滑りを止め、川岸のハゼの木の股に、ぶち投げたので、カワントンはとうとう降参をし、それ以来、悪さをしなくなったという。
光冨のカワントンの悪さについては、近郷近在に鳴り響いていたようである


出展:豊津町史
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